今回の試算条件
NISAで毎月同じ金額を積み立て、35年間運用する想定です。毎月の積立額は1万円から10万円まで、1万円刻みで比較します。
運用期間 | 35年 |
|---|---|
想定利回り | 年5% |
積立時期 | 毎月末 |
毎月の積立額 | 1万〜10万円 |
NISAで投資する元本の上限 | 1,800万円 |
元本が1,800万円へ達した時点で積立を終了し、その後は追加投資をせず、35年目まで運用だけを続けます。年5%は計算上の前提であり、実際の運用成果を保証するものではありません。
NISAの1,800万円は、資産額の上限ではない
現在のNISAでは、非課税で保有できる限度額は買付額を基準に1,800万円です。運用によって増えた利益は、この1,800万円に含まれません。
つまり、元本を1,800万円まで入れなければ大きな資産を作れないわけではありません。少ない積立額でも、長い運用期間があれば、元本を上回る資産になる可能性があります。
今回の月1万円から10万円は、年間では12万円から120万円です。すべて金融庁が定めるつみたて投資枠の年間上限120万円以内に収まります。
月1万〜10万円を35年間運用した結果
年5%を月利へ換算し、毎月末に積み立てる条件で計算しました。金額は1万円未満を四捨五入しています。
毎月の積立額 | 積立期間 | 投資元本 | 35年後 | 運用で増えた額 |
|---|---|---|---|---|
1万円 | 35年 | 420万円 | 1,136万円 | 716万円 |
2万円 | 35年 | 840万円 | 2,272万円 | 1,432万円 |
3万円 | 35年 | 1,260万円 | 3,408万円 | 2,148万円 |
4万円 | 35年 | 1,680万円 | 4,544万円 | 2,864万円 |
5万円 | 30年 | 1,800万円 | 5,340万円 | 3,540万円 |
6万円 | 25年 | 1,800万円 | 5,885万円 | 4,085万円 |
7万円 | 約21年6か月 | 1,800万円 | 6,326万円 | 4,526万円 |
8万円 | 18年9か月 | 1,800万円 | 6,689万円 | 4,889万円 |
9万円 | 16年8か月 | 1,800万円 | 6,993万円 | 5,193万円 |
10万円 | 15年 | 1,800万円 | 7,251万円 | 5,451万円 |
月4万円なら、1,800万円を埋めずに約4,544万円
月4万円を35年間積み立てた元本は1,680万円です。NISAの非課税保有限度額を120万円残したままでも、年5%で運用できた場合の資産は約4,544万円になります。
月3万円でも、元本1,260万円に対して35年後は約3,408万円です。月2万円では約2,272万円、月1万円でも約1,136万円となります。
1,800万円という数字だけを見ると、全額を埋めなければ制度を十分に使えていないように感じるかもしれません。しかし、必要な資産額が3,000万円前後なら、この試算では月3万円でも届く計算です。
早く上限へ達するほど、その後の運用期間が長い
月5万円では30年で元本1,800万円へ達し、残り5年間は運用だけを続けます。35年後は約5,340万円です。
月10万円では15年で上限へ達します。その後20年間は追加投資をしませんが、35年後は約7,251万円になります。月5万円との差は、同じ元本1,800万円を、より早い時期に市場へ置いたことから生まれます。
ただし、積立額を増やすほど今使えるお金は減ります。将来の資産額だけを最大化するなら早く投資する方が有利ですが、生活費、休息、経験に使うお金との配分まで含めて考える必要があります。
積立額を決める基準は、上限ではなく必要額
NISAの1,800万円は、全員が達成すべき目標額ではありません。制度上、非課税で投資できる元本の上限です。
積立額を考えるときは、まず35年後に必要な資産額を置きます。今回と同じ年5%の仮定なら、おおよその対応は次のようになります。
- 約1,000万円を目指すなら月1万円前後
- 約2,000万円を目指すなら月2万円前後
- 約3,000万円を目指すなら月3万円前後
- 約4,500万円を目指すなら月4万円前後
もちろん、実際の利回りは毎年一定ではなく、元本割れする期間もあります。35年後に必要な金額、投資に回せる余裕、途中で収入が減る可能性を考え、無理なく続けられる金額にすることが重要です。
1,800万円を埋めることより、35年間続けられること
月10万円を15年間続ける方法も、月4万円を35年間続ける方法も、将来へお金を送る選択です。しかし、そのために必要な現在の負担は大きく異なります。
上限を使い切るために働く時間や今の生活を削りすぎる必要はありません。必要な資産額から毎月の積立額を逆算し、それを超えるお金や時間を現在の暮らしへ残す考え方もできます。
NISAをうまく使うことは、1,800万円を最速で埋めることではなく、自分に必要な金額を、無理なく長く非課税で運用することです。