今回は、時給1,300円・1日8時間で比較する

比較条件は次のとおりです。

  • 時給:1,300円
  • 1日の労働時間:8時間
  • 1年:52週として計算
  • 生活費:月15万円
  • 単身で、家族の健康保険の扶養には入らない
  • 賞与、交通費、残業代は含めない

月収は「時給 × 1日の労働時間 × 週の勤務日数 × 52週 ÷ 12か月」で計算します。実際の給与は祝日、欠勤、シフト数によって変わります。

週2日・3日・4日の収入を比べる

働き方

週の労働時間

月収の目安

年収の目安

生活費15万円との差

週2日

16時間

約9万100円

約108万2,000円

月約6万円不足

週3日

24時間

約13万5,200円

約162万2,000円

月約1万4,800円不足

週4日

32時間

約18万300円

約216万3,000円

月約3万300円余る

この差額は税金や社会保険料を引く前です。週4日でも、手取りで月15万円を維持できるとは限りません。週2日と週3日は、給与だけでは生活費15万円に届かないため、貯蓄の取り崩し、生活費の削減、より高い時給のいずれかが必要です。

週2日:自由時間は多いが、固定負担が重い

週2日、1日8時間なら週16時間です。雇用保険は、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある人が対象となるため、この条件では通常は加入しません。

勤務先の健康保険と厚生年金にも通常は加入せず、国民健康保険と国民年金へ自分で加入します。2026年度の国民年金保険料は月1万7,920円、年額では21万5,040円です。これだけを月収から引くと、医療保険、税金、生活費を払う前に使える額は月約7万2,200円まで下がります。

週2日は「給与だけで暮らす働き方」というより、貯蓄を使いながら自由時間を増やす働き方です。

生活費15万円との差は給与だけで年約71万8,000円あります。さらに国民年金、国民健康保険、住民税が必要になるため、1年間続けるなら相応の予備資金が必要です。

週3日:収入と休みのバランスはよいが、社会保険が分岐する

週3日、1日8時間なら週24時間です。週20時間以上になるため、31日以上働く見込みがあれば雇用保険の加入対象になります。

健康保険と厚生年金は勤務先によって扱いが分かれます。通常の労働者の所定労働時間と日数の4分の3以上なら、会社規模にかかわらず加入対象です。4分の3未満でも、厚生年金の被保険者数が51人以上の企業などで、週20時間以上、月額賃金8万8,000円以上、2か月を超える雇用見込みがあり、学生ではない場合は加入対象になります。

今回の週24時間は、通常週40時間の職場なら4分の3未満です。ただし月収は8万8,000円を超えるため、51人以上の勤務先などでは短時間労働者として社会保険へ入る可能性があります。求人を見るときは、時給だけでなく「社会保険完備」と加入条件を確認する必要があります。

生活費15万円との差は給与だけで年約17万8,000円です。社会保険へ加入する場合は保険料が給与から差し引かれるため、不足はさらに広がります。一方、国保と国民年金を自分で払う場合も固定負担は小さくありません。

週4日:給与は増えるが、正社員との差は時間ほど大きくない

週4日、1日8時間なら週32時間です。通常の労働者が週40時間・週5日の職場では、労働時間も勤務日数も4分の3以上になるため、原則として勤務先の健康保険と厚生年金へ加入します。雇用保険にも加入します。

給与は月約18万円ですが、ここから健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などが引かれます。生活費15万円に対する額面上の余裕は約3万円しかないため、手取りでは不足する可能性があります。

それでも、国民健康保険と国民年金を個別に支払う必要がなく、保険料を会社と折半できる点は週2日や、社会保険に入らない週3日より管理しやすい部分です。週3日の収入では足りず、週5日の拘束は避けたい人にとって、週4日は現実的な中間案になります。

退職初年度は、前年の正社員収入が影響する

この比較で最も注意したいのは、退職後の収入だけを見てはいけないことです。個人住民税は原則として前年の所得を基に計算されます。国民健康保険料も自治体ごとの方式で前年所得が反映されるため、正社員時代の収入が高い人は、アルバイトへ変わった初年度も負担が大きくなることがあります。

そのため、国保へ入る可能性がある週2日や週3日では、退職前に住んでいる自治体の試算ページや窓口で保険料を確認する必要があります。退職後の健康保険は国保だけでなく、前の健康保険の任意継続も比較対象です。

失業給付を前提に勤務日数を決めない

雇用保険の基本手当は、求職中の生活を支える制度です。アルバイトをした日は申告が必要で、1日の労働時間や収入によって不支給、減額、支給日の繰り越しが生じます。また、週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある働き方は、原則として雇用保険へ加入する「就職」と扱われます。

週3日や週4日の継続勤務をしながら、基本手当も通常どおり受け取り続ける想定はできません。基本手当を申請する場合は、勤務開始前にハローワークへ条件を確認し、勤務実績を正確に申告します。

生活費15万円なら、どの働き方が現実的か

働き方

向いている状態

主な注意点

週2日

貯蓄を使ってでも自由時間を優先したい

給与不足に加え、国保と国民年金を自分で負担する

週3日

週4日の休みと一定の収入を両立したい

勤務先によって社会保険の扱いが変わる

週4日

正社員より休みを増やしつつ、収入を確保したい

社会保険料控除後は生活費15万円に届かない可能性がある

今回の条件では、給与だけで生活費15万円を賄うなら週4日が最も近い選択です。ただし、手取りで15万円を残すには、時給を上げる、1日の勤務時間を増やす、生活費を下げるなどの調整が必要です。

週3日は時間と収入のバランスを取りやすい一方、月約1万5,000円の給与不足に加えて保険料と税金が必要です。1年間限定なら、不足額と退職初年度の税・保険料を貯蓄から出す前提で計画する必要があります。

退職前に確認すること

  • 候補の求人が週何時間の契約になるか
  • 勤務先で健康保険・厚生年金へ加入する条件
  • 退職後の国民健康保険料と任意継続保険料
  • 退職翌年までに支払う住民税
  • 社会保険料を含めて1年間で不足する金額
  • 勤務日以外の時間を何に使うか

勤務日数を減らす目的は、単に収入を減らすことではありません。増えた時間を休養、学習、家事、家族との時間、新しい仕事の準備などへ移し、そのために必要な費用を確認することです。週何日が正解かではなく、1年間で買いたい時間と、そのために取り崩せる金額を一緒に決める必要があります。